「美月はもう帰った!?」
「あ・・・。今さっき帰ったばかり・・・・」


いてもたってもいられなくなり、僕は兄ちゃんの声を最後まで聞かずに教室を出て走りだした。



美月は兄ちゃんにとられたくない!




それなら僕も・・・!




美月に告白する!





僕は靴箱に靴を放り投げ、ダッシュで校門を抜ける。





美月!まだ近くにいるはず!




僕は美月を追いかけた。





その頃、生徒会室の窓から見ていた風宮さんがため息をはきながら、冷めてしまったお茶を一口飲んだ。


窓から僕の急いで校門を出る姿を確認し、風宮さんの目は赤く染まり、澄んだ透明な滴で溢れていた。