彼女は俺と陽太の手を握りしめる。


彼女の暖かい体温が肌を通して伝わってくる。


「二人はどっちもすごく良い個性があるんだよ。私にはどちらも顔はものすごく似てるけど全然別人に見えるわ!」



俺は我慢出来ずに声をあげて泣いた。

陽太は涙目で俺をなでなでしてくれる。



ああ。今、陽太と立場が逆になっちゃってるな・・・。




だって初めて一番俺が言われたかった言葉をこの女が言ってくれたから。



俺はおえつしながら震える声を必死に出す。


「おっ・・おま・・えの名前・・・は?」


彼女は手をギュッと握り、微笑む。

「美月!葉山 美月!」



....俺達は出会った。


運命の女に.....




だけど......





それで兄弟が美月を奪い合うことになるとはこの時はまだ知らなかったんだ。