美月と話せて嬉しかったつもりなのに・・・なぜか心は満足していない。

いやむしろもっと心が暗くなった。



美月は昔から兄ちゃんのことばかり笑いながらよく話す。


僕といても太陽が、太陽は。

僕は陽太なのに。



僕が落ち込みながら歩いていると壁の向こうで兄ちゃんの声が聞こえた。



「ああ~俺ほんと美月にはまっちゃってんな~。」




・・・思わず僕は耳を疑った。


だがそこまでびっくりしなかった。

薄々兄ちゃんの気持ちには分かってたから。



兄ちゃんがその気なら僕も頑張るね。





僕は教室へと足を戻す。



負けないよ。太陽。