転校生は俺の隣りの席に座る。

「…初めてまして。
水島 沙夜です。よろしくね!」

水島と名乗る彼女は、眩しいくらいの笑顔を見せる。

「…どうも。よろしく。」

俺の挨拶に不満があったのか、眉間にシワがよってる。

「名前は?」

そうか…名前、言ってなかったのか…。

「遠野 拓真。」

「ふ~ん。拓真って言うのか。
んじゃあ!改めて、よろしくね!拓真!」

いきなり呼び捨て…。

どうでもいいけど。

「ねぇねぇ!沙夜ちゃんだっけ!?
俺、藤村 透!後ろの席だから仲良くしてね!
ついでに俺、拓真の親友してんだ!」

…誰も頼んでない。