「まぁまぁ。そのくらいにしときなよ。透が死んじゃうよ。」

さっきまで、散々笑っていた水島が佐伯を止める。

「…ちっ。」

「怖い…佐伯怖い…。」

そんな事をブツブツと呪文のように呟いている。

「自業自得だ。バカ。」

佐伯は横目で透を見ながら言った。

「だぐまぁ~」

鼻水やら涙やらいろんなモノを顔につけた透がこっちに来る。

「…近寄るな。キモイ。」

「藤村君!ちゃんと席に着いて下さい!」

委員長らしき人が透を注意する。

しぶしぶ席に座る透を見て俺は一安心する。

さすが委員長さん。

…助かった。鼻水から。

「…では皆さん、文化祭での出し物は“ハロウィン喫茶”でよろしいですね?」