特に用事もない私は、誘いを受け、駅の近くのパスタ屋さんに来ていた。



『それで?』



「…え?何が、」



『クリスマスはどうするの?』



「どうもこうもしないよ」



どうすることもできないし。



『約束は?』



「…忘れてると思う」



『でも大事な約束なんでしょう』



「私にとってはね」



そう私にとっては大事な約束。
彼が忘れてても。



『じゃあ…』



「もういいの!」



早苗の言葉を遮った。
思った以上の声が出てしまった。


「ごめん…」



最低だ、こんなのただの八つ当たりじゃない。



『いいよ。私こそごめん』



「さ、早苗が謝ることじゃないよっ」