『俺、不安なんだよ』


「ふ、不安?」


涙が溢れるのを我慢しながら、紘貴に聞いた。



『10も年が離れてたら、不安にもなるだろ。俺みたいなおじさんより若い男がいいって言われるんじゃないかって』



紘貴も不安だったんだね。



「わ、私もずっと不安だ、た。本当は落ち着いた大人の女性の方が好きなんじゃないかって。私はただの遊び相手で体だけって…」



『そんなわけないだろうっ!!俺は雫だから好きになって愛したんだ』



私のことばを途中で遮り、怒った。



「…だって会うたびにヤルだけで、話もしてくれなかった」



そう正直にいうと、紘貴は私を抱き寄せた。


『ごめん。俺なりに気持ちを伝えたかったんだ。なかなか言えなかったから』



「うん。私も紘貴に伝えてなかった」