お詫びと言って、私の首にネックレスをかける初美さん。


「いえ、いや大丈夫ですよ」


慌てて断ろうとしたが、初美さんはそれを断固としてさせなかった。





『雫ちゃん、紘貴のこと見捨てないであげて』


店を出るときに初美さんはそう言い、微笑んだ。


私はそれに何も返すことができずに、店を紘貴と一緒に後にした。






『約束の場所…戻るか』



その一言でまた公園に戻ってきた私たち。



『三年かぁ。早かったな』



「…そうだね」


時計台のベンチに座り、突然喋りだした紘貴。



『俺ね、すげぇ頑張ったんだよ』



何を言い出すのかと思い、首を傾げた。



『…約束は忘れてたけど、あの日決意したことは忘れずにがむしゃらに頑張った』