「え?従姉妹?」


『こんなに可愛い彼女なんて聞いてない!隠してたわね』


そう言って紘貴に詰め寄る初美さん。



『だってうるせぇだろ。お前もおふくろも叔母さんも』


『うるさいわね。彼女さん、名前は?』



今度は私のほうに近づいてきた。


「し、雫です。原田 雫って言います」



『雫ちゃんっ!紘貴って仕事バカだけど、よろしくね。浮気したら私に言って!叔母さんに言って懲らしめてあげる』


『仕事バカとはなんだよ。だいたい浮気なんてしねぇーよ。つか早くあれ包め』



『ムカつく!雫ちゃんにもそんな言い方してたりするの?嫌われるわよ』


どんどんヒートアップする言い合いに、口を挟むヒマなんてなくてただ呆然と見てるだけだった。



『あのな!お前と歩いたせいで俺は浮気疑惑かかってんだよっ』