『なんでそれを俺に…』



「言えなかったっ。嫌われるのが怖かった」



いつも嫌われないように必死だった。



「…でも気付いたんだ」



『何に?』



ゆっくり息を吸い、言葉を紡ぐ。



「紘貴は私を愛してないんだって…」



『は?!何だよ、それ』



動揺してる?



「紘貴から好きなんて言われたことないし、私の前じゃ…あんなふうに笑ってくれない」



『…』



「私見ちゃったんだ。紘貴が綺麗な人とあるいているのを…楽しそうだった」



また思い出したら、涙が止まらない。



『…わかった。でも少しだけ時間が欲しい』



「じ、かん?」



『ああ。俺はまだ伝えてないことがあるんた。それを聞いてほしい』