もし覚えているなら…。



『約束?あぁ8時にここだろ?時間には遅れ…』



「違うよッ!」


紘貴の言葉を遮った。


「前にここで約束したでしょう?」



覚えてない?



私のことばに眉間にシワをよせる紘貴。


『…正直、忘れてた』



その言葉に、私の中で何かが崩れたような気がした。



『でも、思い出した』



もういいよ。
もう疲れた。


「紘貴、別れよ。もう無理だよ」



『…っ俺は別れねぇ』



「…私ね、紘貴に会えなかったときでも、あの約束があったから紘貴を信じてこれたの」



私の気持ちに気付いて。



「…ずっとずっと大好きな紘貴のそばにいれるんだって思って、会えないときを我慢できた」