『それを相原さんに聞いたことあった?』



「ない、けど…」



『恋人ってさ、所詮は他人。
だけど心から思いあったから一緒になって、喧嘩もするし笑い合ったりもするじゃん。
それってお互いがちゃんと自分の気持ちを言葉にしてるからだと思う。それをしてた?』



気持ちを言葉に…



「…好きとか?」



『それもだけど、寂しいとか嬉しいとかいろんな気持ちを言葉にするの』



「…言ってない。それができなくて、いつのまにかそれが当たり前になってたような気がする」



『それをしないと、いくら長く付き合ってたって、結婚したって上手くいきっこないわよ』



一目惚れして、好きで好きで、年なんて関係なく告白した。


フラれたけど、諦めずにもう一回告白した。


それでやっと恋人になった。


それから五年も恋人だった。