翌日。

 萩島は学校に登校してこなかった。

 いつもの孝久なら気にも留めない小さな出来事であるが、今の孝久にとっては気になる出来事である。


 ──まだ出会って二日足らずなんだけどな。


 休み時間に萩島に電話をかける。

 電話をかけるのは初めてだが、緊張はしていない。

 どちらかと言えば、不安の気持ちの方が大きい。

 
 ”ガチャ!”

「も、もしもし萩島か──」

「ただいま電話に出ることはできません──」


 それは萩島の声ではなかった。

 萩島と連絡が取れない──不安は募るばかり。


 結局その日は不安な気持ちを抱えたまま一日を過ごした。