低く囁きかけるような声で心配そうに聞いてくれた柊平に、私は首をフルフルと左右に振った。


「何でもないの…。ちょっと昔の嫌な夢を見ただけ…。」


「大丈夫か?なんか、さっきの声…かなり辛そうだったぞ?」


「ごめんね。一緒に寝てるのに、傍であんな声出しちゃって…。ちょっと早く起こしちゃったね…。」


時計を見ながら苦笑いをしていると、柊平は私の手を優しく握った。


「俺が傍にいるから…。幸歩の嫌な夢、忘れさせてやるよ…。」


首筋にキスを落とした柊平は私の体の向きをクルリと対面になるように向かせると、穏やかに笑ってくれた。