―――二年後。
「神風さん、来てくれたんですかーっ…!!」
あたしはウェディングドレスを着たまま、目的の人に向かって大爆走。
きっとあたしの目は、獲物を捕まえる程に強烈なモノになっているだろう。
「おま―――ウェディングドレス姿で走るとは、バカなのか!?」
「あたしはどうせバカですもん!」
胸を堂々と張って答えるあたしは、きっと神風さんに呆れられているはず。
本当なら向ける予定のなかった人に、あたしは満面の笑みを浮かべている。
これは、あたし達がたくさん努力した証なのだろう。
「これ、つまらんモノだが、ありがたく受け取れ」
「本当ですか…!?ありがとうございます…!」
包装紙に包まれたプレゼントを胸に、あたしのテンションは更に上がっていく。
―――あれから二年。
今日は、あたしと光輝の、結婚式。
.