瞬間。
あたしの貞永に対する不満は、すぐに掻き消された。
「うわっ…綺麗、凄いっ!!」
「だろ?絶対にあゆなら喜ぶと思ってたからな」
目の前に広がるのは、夜空の中で光る、無数の星達―――
キラキラ、そんな言葉では言い表せない程の輝きに、あたしの口は開いたままの状態になっている。
予想外の反応に、貞永は嬉しそうに顔を綻ばせた。
「まさか、こんなに喜んでくれるとはね」
「だって、凄く綺麗なんだもん…!」
「喜び方が小学生みたい」
「もうっ!ロマンチックな場所で、そんな事言わないで!」
でも、これは立派なデートだ。
貞永は、何だかんだで、ちゃんとしたムードを作ってくれるもんね。
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