「今日は俺が車運転していいか…？」



「へ…？」




駐車場に着き、車のロックを解除した所で、貞永が何気ない様子であたしに問いかけてきた。


よく貞永の魂胆が分からないけど、あたしはゆっくりと頷く。


それを見た貞永は、あたしから車の鍵を奪うと、強引に運転席へと侵入していった。




「あゆ、早く座れよ」



「う、うん！」




いつもあたしが車を運転しているから、なんだか助手席は慣れない。


だけど…なんだか普通のカップルのデートっぽくて、いいな。




「じゃ、行くぞー！」



「出発しんこーうっ…！」




あたしの掛け声により、車はゆっくりと家路に着いた。




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