これは、貞永と話し合って決めた事。
いくら周囲に関係がバレて、小西さんに認められたとしても、まだ完全に物事が解決した訳ではない。
神風さんだって完全に納得していないし、冷ややかな反応をするマスコミだっている。
そんな状況の中、あたしは気楽に貞永のマネージャーを続けて、このまま何事もないかのように仕事をしていいはずがない。
全てを解決するまでが、あたし達にとっての戦いなんだから。
そんな思いもあり、ケジメを付ける意味で、あたしはスタートラインの撮影が終わる日に、貞永の担当を外れる事にしたのだ。
…離れていてもあたし達は大丈夫、と神風さん達にアピールするという目的も含まれているのだけど。
「本当に、光輝くんの担当じゃなくなるのね…」
「そうだよね…。なんだかんだ言って、この四人で過ごす事も少なくなかったし」
どこか寂しそうに呟く蘭に、四人での想い出を回想する冬馬。
…やめてよね。
悔いのない、晴れやかな気持ちで出発したいのに、そんな事を言われると、どんどん欲が出てきてしまうじゃない。
例えば、
もう少し、貞永と一緒に仕事をしたかった、とか。
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