そうニッコリ話す小西さんは、やっぱりいつもと変わらないオーラを醸し出している。
「だから中森さんに貞永。貴方達は、思う存分に素敵な恋をしなさい」
「え…?」
「神風さんの考えは、私が徹底的に変えておくから」
本当にいいんだろうか。
そういう疑問が、あたしの中を支配していく。
「中森さんは、今色々と決着を付けたいんだろうけど、人生には、時間をかけてゆっくりと解決しなければいけない物事もあるからね」
「小西さん…」
「神風さんとの関係も、ゆっくり修復していけばいい。大人になったからと、恋愛を制限する理由もない。だからここは、私に甘えてくれると嬉しい」
…小西さんは、認めてくれた。
マネージャーと俳優という、禁断の関係を、認めてくれた―――
「あたし、このまま…ハッピードリームに居ても、いいんですか…?」
「いいも何も、それが中森さんの人生なんだから」
いつもの笑顔で笑う小西さんを、あたし達の為に自らを犠牲にしてくれた友人を、この瞬間を、
あたしは一生忘れない。
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