脅しとも取れる挑発の仕方だけど、貞永も、蘭も、冬馬も、猛も、隼人も、菊池も、みんな本気だ。
一人ひとりの表情を伺っていた神風さんが、ふとあたしを見て、身体の動きが止まった。
「コイツは…誰だ」
「俺の彼女、中森あゆですけど、何か?」
「中森あゆだと…?」
貞永の言葉に、神風さんは驚いたように目を開き、あたしの事を凝視してくる。
確かに、金髪ギャルと化しているあたしを見て、驚くのも無理はないと思うんだけど―――
「何でこんな所に居るんだ!今は謹慎中のはずだろ…!?」
「きゃっ…!」
神風さんの怒鳴り声に驚いて、あたしは思わず声を出してしまう。
再び恐怖が襲ってきて、耐えるように菊池の服に加える力を増やす。
そんな状況の時だった。
「そろそろやめんかね、神風さん」
「え…?」
あたしの後ろの方から、聞きなれた声が響いてきたのだ。
そう、あたしの上司の
…小西さんの声が。
.