一瞬、言葉を失った。
貞永が何を考えているのかが、分からなかった。
「貞永!?」
「神風さんが俺達を認めてくれないのならば、俺はあゆと一緒に此処を辞めて、新しい芸能事務所を立ち上げます」
「なんだと!?」
「そこで、お互いに新しく芸能活動を始めます。別に俺とあゆが居なくなったからって、ハッピードリームに大きな打撃が与えられる訳ではないですよね?」
…分かった。これが、貞永の言っていた作戦だ。
会社の利益を大切にしている神風さんに勝つには、こうやって裏を掻くしかなかったんだ。
でも、貞永…。
別にあたし達くらい居なくなっても、ハッピードリームは運営に困らないんじゃ―――
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