「ユリさんはプロフィールを一切後悔していませんがそれはなぜですか?何か知られてはいけない秘密があるんですか?」


なにこの人、なんでこんなこと聞いてくるの?インタビューの前に注意事項とか聞かされてないのかな?


私は事務所の全面協力があってインタビューを受けるときなんかはあらかじめ記者にプロフィールなどについては聞くなと注意している。それに最近ではこのことはどの記者も知っているくらい有名なことだと思ってたんだけど…。


「……その質問は雑誌と関係ないように思います。答える義務はありません。」




「なぜですか?あなたのファンはみんな知りたがってると思いますよ?なぜそんなにひた隠しにするんですか?」



なかなか引き下がらない記者にだんだんムカついながらも仕事上笑顔でいなくてはと、顔は崩さず答える。


「素性を知ってどうするんですか?私はプライベートなことはあまり明かしていませんが誠意を持ってこの仕事をしています。そのことをファンの方々に知っていて頂ければ十分だと思っていますけど。」


「………。」


私の言葉に何も返せれないところをみると、あの質問はただの好奇心だろうか。



「質問は終わりですか?終わったなら私は帰らせていただきますね。ありがとうございました。」



「あのっ…!」


立ち上がり歩き出そうとした時、記者が私を呼び止めた。