「なんでもいいから言えよ。」


「…っ!先輩はずるいです!」


「なにが?」


「私は諦めようとしてるのに!…それなのにあんな冗談言ったりして、私の気持ちを知らないならまだしも私は先輩に告白して振られてるんですよ!?よく平気であんなこと言えますね!?」


「優莉…。」


「私はまた前みたいに名前で呼んでもらえることが嬉しかった、また一緒に遊べるようになって嬉しかったのに…。だから付き合うことが出来ないなら今の関係で満足するしかないって思ったのにっ!」


今にも泣き出しそうな優莉を前にして俺は不謹慎にも胸が高鳴った。

だって今の優莉の言葉はまだ俺のことを好きってことだろ?

それがとてつもなく嬉しかった。


「…なんで笑ってるんですか!?私にこんなこと言わせて何が面白いんですか!?もう先輩のことなんて嫌いです!出ってくださいっ!」


優莉は近くにあった枕を俺に向かって投げつけて背を向けてしまった。


またやっちまったな、こんなケンカしてるのに笑ってたらそりゃ怒るよな…。


でも隠しきれないくらい嬉しかったんだよ、優莉の言葉が。


とうとう泣き出してしまった優莉の背中はとても愛おしくて俺はほぼ無意識に抱きしめていた。