優莉の部屋の前で深呼吸をしてドアを開けた。




「早かったね、探しも…の……。」


なっちゃんと勘違いしたのかな?話の途中で俺だと気付き固まってしまった優莉。

「…なんか用ですか?」

やっと出てきた言葉はすごく冷たくて俺の勇気を萎縮させる。


「…ゴメン、ずっと謝りたくて。」


「何のことですか?」


「買い物に行った時のこと、優莉が気分悪くしたと思って…。」



「…べつに、怒ってませんよ。」


「怒ってんだろ!話しかけても変な返事だしなっちゃんとテツには楽しそうに話してるのに俺にだけ冷たいし!」


「何それ先輩の方が怒ってるじゃん!そんな大きい声出さなくてもいいのに…。」


優莉があまりにも頑固に冷たいから、今度はちょっとムカついてきて思わず声が大きくなってしまっていたみたい。

「ごめん…。」


「私は怒ってないし気にしてないから、先輩も気にしないでください。」


気にすんなって…、そんなの無理だろ。


「気にしてないって言うならなんで俺にだけ冷たい訳?」


「…先輩の勘違いじゃないですか?私はいつも通りですよ。」

「そんなの嘘、レジでおばちゃんと喋ったくらいから変じゃん、それまで普通に話してたのに。」



「……。」


はっきりと問題となった時を示すと優莉は黙ってしまった。


やっぱりあの時何か思うことがあったんだ。