「あのさ…「わ、私が話します!」


なんか先輩の話は聞いちゃいけない気がして、無理やり遮った



そのことに先輩は驚いていたけど、どこかホッとしたような感じでもあった



「そ、何話してくれるの?」


「んー…、そうだ!先輩先月誕生日でしたよね!」


「あー、そうだね、それが?」


「えっと…?まだおめでとうって言ってなかったなぁって思いまして…、だから…、おめでとうございます…」


唐突過ぎたかな…?でもパッと思いついたのはこれだった、誕生日が近づくごとになんか祝いたいなぁって思ってたけど、先輩と別れてしまってからは話すこともできずに誕生日が過ぎてしまった


だから前みたいに話すことが出来るようになった今、ずっと言いたかったんだけど…


先輩は唐突すぎる私の言葉に固まってしまった


「あの…先輩?ごめんなさい急に、しかももう一ヶ月も前のことなのに…」


私の言葉でハッとしたように我にかえり、「いや、全然」と答えて


「俺の誕生日覚えててくれたんだな…ありがと」


と言って微笑んで、私の頭をポンポンした



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まるであの夏の夜に私に触れたように優しく触れた



……、先輩はずるいよ…。