「うをっ!まじかぁ…。」


「え?これダメな感じですか?」


心の中でつぶやいたつもりだったけど、嬉しさのあまり声に出てたみたいで、それはしっかり優莉の耳に届いてた



「全然ダメじゃないよ!むしろもらって!それ俺のやつ!」



「え!?先輩のですか?すごい!私最初に見たときからずっといいなーって思ってて…、嬉しいです」


そう言って俺の作品を間近で眺めていた



てか、俺ら展示作品に私情入れすぎだからね!!

テツも俺もそれぞれもろなっちゃんと優莉好みの作品だ2人の好みを知ってたら狙ったって絶対分かるな(笑)


でも、ほんと素直に嬉しいや////


「渡すの帰りでもいい?」


「そうですよね、まだ今日は展示しておかないといけないですもんね!大丈夫ですよ!」


「オッケー、じゃあ帰りね!これ重いから家まで運ぶよ、だから一緒に帰ろ?」


「え?」


……あ、なんか俺まずった、かも?


普通に一緒に帰るなんて言っちゃったけどこれって無神経だよな?


「いや、ごめん、これ重いからと思って…。」


「いえっ!じゃあお願いしてもいいですか?」



え?まじ?いいの?


「え、うん」


「じゃあ片付けとか終わったら下駄箱で待ってます!とりあえずまたその時連絡する感じでいいですか?」


「うん、そんな感じで!」


思いがけない約束ができたところで優莉は『そろそろ行こっか?』と、テツと楽しそうに話していたなっちゃんに声をかけていて、この時間が終わってしまう…



そう思ったけど


「ねぇ、優莉!このまま4人で文化祭回ろうよ!てっちゃんたちあとちょっとで当番交代らしいから一緒に回ろうって話してたの!」

というなっちゃんの一言で曇りそうだった俺の心は一気に快晴になった