「ゎぁ…」
それはそれはとても小さな声で呟かれて、こんな狭い教室じゃなかったら聞こえなかっただろう
「てっちゃん、ヤバいこれすごい!」
それにひきかえなっちゃんは大はしゃぎ、小さくピョンピョン跳ねている
優莉も共感を求められ頷いていたけど教室全体をキョロキョロしていて言葉は全然出てこない様子
「どう?俺たちの特別待遇」
声をださない優莉に話しかける
「すごいです!すごく綺麗!星の中にいるみたいです!」
目をキラキラ輝かせて嬉しそうに、少し興奮気味に話す優莉
その笑顔見れただけで俺はこの展示はもう満足だと思うよ
「もう一個特別待遇してあげよっか?」
「え?なんですか?」
「この中から好きなやつ選んで、それあげるよ!」
「え?そんなことしていいんですか!?」
「うん、みんなこの後捨てちゃうだろうから、もらってくれた方が嬉しいかな、なっちゃんも気に入ったのあったら持っていっていいよ」
2人とも作品に近寄り吟味する
「私はこれがいい!」
なっちゃんが選んだのは偶然にもテツの作品だった
それにはテツも喜んでいてすぐに承諾した
「私はこれかな、なんか初めからこれが気になってた…。」
これまた偶然なのか、優莉が選んだのは俺の作品だった