「渋ってた割には案外普通に話してたじゃん!」

教室から出てすぐにテツがそう言ってきた



「だな、自分でも少し思った!たぶん文化祭っていうテンションだったからいけたんだよ、じゃなかったら一生話すことなかったかも」



「一生って!(笑)それは大げさすぎだろ!」


「いや、本当だって!お前には感謝するよ」


「何もしてないけどねー、俺はただなっちゃんに会いたかっただけだし!」


まあ、確かにそれもあったな(笑)
ほとんどなっちゃんの方ばっか向いて喋ってたし、だけどそのおかげで俺は優莉と2人で話すことができたのも確かだ


『展示って何を展示してるんですか?』なんてキラキラした目で聞いてくるからすぐにでも答えてしまいそうだったけど、なっちゃんの真似をして『教室きてからのお楽しみ!』って言っといた


そしたらちょっとむくれてまたその顔が可愛かったんだ



「今日の崇哉、生きてるね」




顔を覗き込んだテツがまたわけのわからないことを言い出す


「俺は前から生きてるよ」


「そういう意味じゃなくて!ちゃんと心から生きてる、最近のお前は笑顔の仮面張り付けてるだけだったよ」


優莉ちゃんに会えたからかなー?って一言多いからムカついて蹴りを入れてやった


俺も素直じゃないな