「それで?話してくれないの?」
きっと今、俺はとても意地悪な顔をしてると思う、だって優莉の顔がとても困ってる
「先輩にそうやって言われたら、もう何にも言えないですよ…」
「やった!じゃあ話していいよね?」
喜ぶなっちゃんに優莉は呆れていてうんうん、と頷いていた
「まず一つはこの男装メイクも女装メイクも全部優莉がやったんですよ!」
「1人で?」
「はい!すごくないですか?最初は男女ってどうしても性別隠しきれないからメイクしてもどうにもならないと思ってたんですけど、優莉のメイク技術半端ないんですよ!男子もほとんどみんな可愛くなって女子もみんな中性的でかっこ良くて!」
「優莉ちゃんすげぇー!」
ざっと見ただけでも10人はいるこのメンバーみんなを朝からメイクしてたのか…ほんとすげーわ
その労力もだけど技術も
「やばいでしょ?でもそれだけじゃないんですよ!その本日のケーキ食べて見てください!」
そうなっちゃんに言われテツと俺は本日のケーキになっているこれはティラミスかな?を食べた
「なにこれ、めちゃうま!!」
今までに食べたことあるどのティラミスよりも美味しいかも
「ほんどだ!実は俺ティラミスってそんなに好きじゃないんだけどこれ食べれる!」
そういってテツはもう一口ほうばった
「でしょでしょ!美味しいでしょ!?」
「うん、美味しいよ、でもこんな美味しいのコーヒーの料金だけでだしてこのクラス大丈夫なの?」
「それが大丈夫なんですよー、コーヒー自体はそんな高くないからコーヒー代の中にケーキのお金も含まれてるので!」
「でもドリンク代400円だろ?」
カフェに入る前の看板にあらかじめ食券400円分ご用意くださいと書かれていた
「そうですよ、その値段こそ優莉の活躍があるわけですよ!実はこのティラミス…優莉の手作りなんです!」
テツと俺の視線がなっちゃんから優莉に移る
「まじ?」
俺の質問に今まで静かに話を聞いていただけの優莉は頷いた