「お待たせいたしました、こちらカフェオレとコーヒーと本日のケーキでございます!」



「あれ?ケーキ頼んだっけ?」



「このケーキは飲み物とセットなんです!」


そう言ってなっちゃんはテツの隣に優莉は俺の隣に座った



「あれ、座っていいの?」


当然の疑問をテツは2人に投げかけた



「こういう接客スタイルなんです」


それを聞いてから周りを見渡すとウエイターたちは二人一組になりそれぞれのテーブルに座って客と談笑していた




なんとも斬新なスタイルだ



「このクラスヤバいな!文化祭MVPいけるんじゃない?」


「やっぱり崇哉先輩もそう思いますか?私もそう思ってるんですよ!なんてったってこの企画考えたの優莉ですもん!!」



「え!?優莉ちゃん考えたの?すごいねー!」


「ちょっとー、ナツ!言わなくていいのに!それに私一人だけじゃなくて皆で意見だしあったからこそできた企画だよ!」


優莉は謙遜しながらもとても満足そうな顔をしている


まあ、こんだけ手が混んでたら当たり前か



「でも実はそれだけじゃないんですよ?」


「ちょっとナツ?それ以上は発言許さないよ?」


言い出すなっちゃんを必死に止めようとする優莉



「なになにー?そういう風に言われると余計気になるんだけどー!」


「そうだぞ、加納!ほらなっちゃん言って言って!」



いつもと違う格好のせいか、文化祭の浮かれた気分のせいか、優莉とも普通に話せてきている



あの夏の終わりから全く話をしていなかったのに…




優莉も何と無く初めの時より、ぎこちなさが消えてきた気がする、まあ前みたいに名前で呼び合ったりはしないんだけどね…