予想通りさっき神田と話していた場所に着いて、俺の前を歩いていた佑くんが振り返り向かい合った
「で?話ってなに?」
自分が出る競技がもうすぐあるし、なによりこいつと話すことが気に食わない
「だいたい予想はついてるんでしょ?優莉ちゃんのことだよ」
「やっぱりな…なんだよみんなして…」
「?みんな?」
「いや、なんでもねぇ…」
だってこれで三人目だぞ、テツに神田にこいつまで…
「それで加納がどうかした?」
「…単刀直入に言わしてもらうけど、優莉ちゃんのことどう思ってるわけ?」
なんでお前に話さないといけないんだよ
「それ、お前に関係ないだろ?」
「あるよ!俺は彼女のこと特別に思ってる」
…テツの言っていたことは正しくてやはりこいつも優莉のことを想っていたらしい
「…そういうことは俺じゃなくて加納本人に言ったら?」
「君はそれでいいわけ?」
「いいも何もあいつは俺のものでもないしどうするかはあいつ次第だろ」
「そう……。わかったよ、じゃあ俺の好きにさせてもらうよ」