「今帰り?」
急に声をかけたせいか、身体がビクッと跳ね俺の方を向く
「た…、先輩…。」
もう、崇哉とは呼んでくれないんだな…、当たり前か
「準備だったの?」
「はい、そうです、なかなか終わらなくてこんな時間になっちゃいました」
敬語も戻ってる
「先輩も準備で居残りですか?」
「俺は体育の先生に作業頼まれてこんな時間まで…」
「あの先生人使い荒いですからね、お疲れ様です(笑)」
近付けたと思ったのにまた離れてしまった優莉との距離
信号を渡りバス停でバスを待つ間も人1人分間が空いている
やっぱり避けられてんなこれ…
「そうだ、冬休みなんだけど遊ばない?」
「え?」
唐突な質問に彼女はびっくりしてる
いや、俺もびっくりしてる
なんで急にこんなこと言っちゃったんだろう…
空いた距離が地味にショックだったのかな?