「なに考えてるの?」


「…なんも」


ベッドに寝転んでいる俺の真似をして冨田も俺の隣に寝転ぶ、確かにこいつとはいい友達だけどそれ以上はありえない



婚約者とわかった今、近付くのはこいつとの距離で前よりスキンシップがひどくなっている


「引っ付くな、暑い」


「タカタカってば冷たーい、婚約者にはもっと優しくしてよねー!」


お、お前なぁ、時期考えろよ!
今は8月だぞ!夏真っ只中暑くない奴なんかいねーぞ!?


もうほんと帰ってほしい…


「今日はなんか機嫌悪いね?なんかあったの?」


「………。」


言えるわけがない、それに言ったところでこいつが婚約解消してくれるわけでもないだろうし


小さい頃から知っているからこいつの性格もよく知っている、見た目は可愛くて純粋そうに見えるけど中身は真っ黒だ、そして頑固でプライドが高い


俺の前ではとてもいい子ちゃんを演じているけどバレバレだ、きっと優莉のことを言えば優莉に何か被害がいってしまうだろう、それだけは避けたい



「ちょっと何か言ってよー、無視しないで」



「お前に言っても意味ないから言わないだけだよ」