俺が断ればそれで済む話なんじゃないかと思ったけど、そんな簡単な話でもなかった



冨田の親は社長で俺の父さんの勤め先はその会社の傘下らしい、冨田自身が乗り気な以上あいつの親はなんとしてでも俺との婚約を成立させたいらしく、俺が反対すれば父さんが心配だ…



実際に脅されているわけではないが、そうなってもおかしくはない話で、安易に断れずにいる



でも、俺は優莉が好きなんだよ、それなりに恋愛してきたけどこんなに長い間想い続けたのは初めてなんだよ、だからこの想いを俺は大事にしたい



それになんとなくだけど、中学時代とは雰囲気の違う彼女のことを助けてやりたいとも思う


明るくて一緒にいて楽しいのは変わらないんだけど、どこか距離を感じる時がある、最近やっと近付けたと思ったのにこんなことになるなんて…