「もったいないなぁ…そんなだから最近彼女できないんだよ」


「お前に言われなくねーよ、彼女できたとしてもすぐ別れるくせに」



見た目と優しさは抜群にいいのに、女にだらしがないと言うか、女好きと言うか…まず告白されたら即オッケー、そんで別れる時はイメージと違ったと言ってフられている



そんなお前よりは俺はマシだと自分で思うよ




その話をしている時だったかな?

優莉はやってきて、俺を呼び出した



人気のないところへ移動して


「先輩のボタンが欲しいんです、もらっちゃダメですか?」


確かあの時優莉は遠慮がちにそう聞いてきた。



今までの子には即答できたのに優莉にはすぐに返事をする事ができなかった



正直言うとあげてもいいかなとも思ってた

だけど…


俺が返事をしないでいると優莉は



「やっぱいいです!今のは忘れてください!」


と早口でいって走り去ろうとしていた


「待って!」


俺は慌ててそれを引き止めて彼女を俺の方へ向き直させる



その顔は落ち込んだような、恥ずかしいというような、そんな表情だった



「あげたくないわけじゃないんだよ、だけど他の子にボタンこのままにして残しておきたいなんて言っちゃったからさ…」


今更だけど、くだらない言い訳で断ってきたことを後悔した。


こんなことならもっとマシな理由にしておけばよかった…