「俺?まあ、お前みたいにそんなモテないからなぁ」


「うそつけっ!お前俺より人気あるからな?」



…そうか?


まあ、確かに在学中何人かに告白されて付き合ったりしたし、卒業間際とかは何回も呼び出された


だけど、しみちゃん程ではないよ?




「まあ、アレだよ」


え?どれだよ?しみちゃんの訳のわからない言葉に困惑する



「タカは話しかけにくいからだと思うよ?眼つき悪いし」


「さらっと悪口じゃね?否定はできんけど」


人懐っこいしみちゃんの顔と比べて俺はきつい顔をしてると思う、よく怒っているのかと誤解されるくらいだ



「で?本当は何人か声かけられたんじゃないの?」


しみちゃんが興味津々といった感じで話を戻す



これには俺も勘弁して正直に話すことにした、隠す必要もないしな


「3人くらいな…でも、誰にもやる気無いからって断ったよ」


「はーぁ!?なんでだよボタンくらいあげたっていいじゃん」


だってなんか気持ち悪くないか?

もしあげた子が自意識過剰でボタンひとつで好意をもってると勘違いされたりしたらどうする?

てのは本気でも、全部あげてしまっているこいつの前では言えなくて


「なんかこの制服はボタン全部着けて綺麗なままにしておきたいんだ」


なんて変な理由を後輩に断る時もしみちゃんにも説明した