「ほら、いつまでもしんみりしてちゃダメだよ?もうすぐ順番くるんだから!」


うん、完全に忘れてたよね…


ジェットコースター…



「もう次じゃね?」

崇哉の言葉に緊張が走る

正直ジェットコースターが得意ではない、速いのは問題ないんだけど、急降下だけはどうしても慣れない


けど、みんなが楽しんでいる雰囲気を壊したくないからちょっとだけ無理しようと思った


コースターは2列で、えっちゃんはけんちゃんと、その後ろの座席に私は崇哉と並んで座った


「やべー!なんか緊張してきたーー!」

そんな事いいながらもすごく笑顔な崇哉、はしゃいでて本当に楽しそう


私も出来るだけ楽しもうと思ったけど、コースターが坂を登って行く度に恐怖が襲ってくる


ヤバい、もうすぐ頂上だ…
もう周りの景色なんて見てる余裕なくて、ぎゅっと目を瞑り下を向いていた


その時だった




ぎゅう…


崇哉が私の手を握った


それに反応して顔を上げて崇哉の方を見る


「怖い?…大丈夫、落ちたりはしないよ」


その言葉に少し落ち着きを取り戻した

「うん、ありがと、崇哉…」


だけどね、崇哉…やっぱり、私…


どうしても急降下だけは…


「きゃーーーーーっ!!」



空が見えて、一瞬止まったかと思ったら急降下!!


もうそれからはどれだけ叫んだとか、どんなコースだったか覚えてない


ただ、ひたすら手すりをしっかり握って目をつぶって、下を向いていた