これ以上無視しているのは難しいと判断して口を開く

「私はお姉さんでも、観光客でもありません。」


と、それだけ伝えてえっちゃんたちのもとに戻ろうとしたら4人のうちの1人に腕を掴まれてしまい、その行動は阻止された



「その手、話してもらえませんか?」



「なんで、いいじゃん、俺らと遊びに行こうぜ!」
「観光客じゃないってことは、地元人?てか、キミあれに似てない?何だっけ?前にいたモデルの…」


「似てませんっ!!!」


思わず大きい声をあげてしまった…


乗っていた他の人もえっちゃんたちも私をみて、絡んできてた高校生たちはビックリしていた



「すいません…私、連れがいるので」


そういって腕を振り払ってえっちゃんたちの元へと戻った



「りっちゃん、どうしたの?なんかあった?あの人たち知り合い?」


えっちゃんがとても心配そうな顔で聞いてきた



「ううん、なんかちょっと絡まれてただけ!大丈夫だよ!」


「優莉、腕、赤くなってる…」


崇哉に言われて左腕が赤くなっていることに気づく

さっきの高校生に掴まれてたとこだ…


「大丈夫、このくらいなんともないよ」


そう、腕のことなんて全然平気…


私が気にしているのはあの高校生が言ってた、“似てる”って…




やっぱりメイクなんてするんじゃなかった