何かというよりは人だ
見上げると先輩だった
「すいません...なんで先輩が?」
私はえっちゃんを呼んでたのに
「あー、神田の機嫌が直らなくてまだあいつら言い合ってんの、だから代わりに手伝いに来た」
「...先輩がですか?」
「なに、ダメだった?」
「いえ、助かります」
ただ...
「ふふふっ」
「なに笑ってんの?」
「ごめんなさい、先輩とキッチンって似合わなさ過ぎて(笑)」
「なんだよそれ、俺だって台所に立つことだってあるよ!」
「そうなんですか?」
想像できない、先輩は何がなんでも動かないでテレビとか見ながらご飯待ってるタイプだと思ってたけど
「お前、信じてないだろ?」
「...だって、想像できないですもん」
「これでも、料理はできるんだぞ!たまに親いないときなんかは自分で作ってるし」
「えー!意外です、すごいですね!」
「でもまぁ、こんな凝ったのは作れないけどね!お前すげぇな!美味しそう」
先輩は盛り付けされたご飯を見て褒めてくれた
「そんな...ありがとうございます、けど味は保証しませんよ?(笑)」