うな垂れて頭を抱えるお父さんに詰め寄る。



「わかったって言った?わかった?わかったってどういう意味!?」



「あー、もう、うっせーなぁ。産め。産みたいんだろ?産めばいーじゃん。」



めんどくさそうにそう言いながらまたビールを注ぎ出した。



「本当にいいの?」



「ん。俺は美紀を命を粗末にするような子に育てた覚えはない。」



そしてコップの中のビールを一気に飲み干した。



「ただし、高校はなんとか卒業しろ。働くのも子供が落ち着いてからにしろ。
それまでの全ての責任は俺がとるから。」



「…いいの?」



「…それが、親になるってことだ。
美紀、お前にできるか?」



美紀はなんていい親に育ててもらったんだろう。



「できる!がんばる!!だってお母さんになるんだもん!!」



大好きなお父さんがさらに好きになった。



美紀もこの子にそう感じてもらいたい。



お腹をさする美紀を見て、お父さんはまた大きなため息をついた。



ありがとう。お父さん。