静まり返った住宅街。
ケータイから聞こえる直ちゃんの声だけが頼り。
『花火どーだった?』
「すっごいきれいだったよ。人もありえないくらいいたけど…。
それより飲み会はどうなったの?」
まだ9時だし、解散するには早過ぎなんだよなぁ。
『一次会で抜けてきた。花火に間に合うかと思って。まー、無理だったけど。』
「それって…、」
どういう意味?って聞こうと思った時だった。
『っつーか何してんだ!?お前!!』
「へぇっ!?」
電話越しに直ちゃんが怒鳴った。
ビックリして耳からケータイを離す。
『男と行ったんならそいつに送ってもらえよ。』
再び耳を近づけたら言われた言葉。
「え?」
『この辺の道は危ないって前に言ったろ?一人で歩くな。』
え?