恭ちゃんがどんどん駅の方に歩いていく。
直ちゃん家はここ曲がらないといけないのにぃ…。
「ごめんね。直ちゃん。すぐかけ直すから!…恭ちゃん!!待って!!」
ケータイを切りながら叫んだ。
「ん?電話終わった?」
「美紀、こっち曲がるから。すぐ近くに知り合いのお家があって…。」
「あ、そうなんだ。一人で平気?」
笑顔でうなずく。
「ホントにすぐそこなの。
あと恵梨香に連絡だけしといてもらってもいい?」
「オッケー!」
恭ちゃんが手とケータイを振りながら行ってしまうのを確認すると、急いで着信履歴を出した。
「もしもし?直ちゃん?さっきはごめんね。すぐに着くんだけど…。」
自然と速足になる。
この辺って街灯も少なくて怖いんだもん。