雨粒の音はどんなものよりも美紀の心を踊らす。
特に深夜。
窓ガラスに当たる雨粒の音で目が覚めた時、ウキウキして眠れなくなる。
湿気で髪のセットがうまくいかなくても、カバンが濡れちゃっても、たとえトラックに水をはねられても、それでも美紀の心は晴れやかなんだ。
直ちゃんのそばに居られるだけでいい。
一緒に居られればそれで幸せ。
だけどね、最近それが不安になる。
美紀はいつまでこうしてればいい?
直ちゃんをあきらめる時はいつ?
でもあきらめる方法なんて思いつかない。
直ちゃんを忘れる自分なんて想像すらできない。
だから直ちゃんの優しさに甘える。
直ちゃんが美紀のものになればいいのに…。
いつまでそんなこと思ってればいいんだろう。