――――――…
放課後、ぼんやり、慌ただしく生徒が行き交う廊下を歩きながら、


不意に横にきた人影に全神経が向いた。




「宮澤、行くぞ」



ポンと軽々しくあたしの頭を叩いて、涼しい声を出したのは佐山。




「先に、行ってよ」



もしくはあたしが先に行く。



「なんで?一緒に行けばいーだろ」

佐山は相変わらず馬鹿にしたようにいう。

「嫌。だって」

ほら、女子の視線が痛いんだよボケ。


だけど、佐山は眉を上げただけで、あたしの横から離れない。歩幅だってぴったり一緒。


もう、やめて欲しい。



「なんで?意味分かんね」


佐山は不機嫌にあたしを見つめる。整った顔立ちは人気があるのは確かに分かる。だけど、全然あたしのタイプじゃない。いや、そんな事別にどうでもいいんだけど。









「…あんた彼女いるでしょ。いい思いしないよ」




あたしだったら、絶対嫌だ。