『失礼します』と頭を下げたあたしは、紗菜さんの横を通ろうとした。


「……あんたらしく勝手にすれば」


振り返った時には、紗菜さんはもう走り出していた。


やっぱり優しい人だよ、紗菜さんは。彼女なのにあたしに頑張れと言ってくれたようなものだもん。


「よーしっ」


あたしは再び2−5へと駆け出した。


────…


「あっれー?真柚ちゃんじゃん。どうしたの?」


2−5の教室に向かうと、ちょうど勇斗先輩がいた。


「あの……洵介先ぱいは?」


「洵介なら今、飲みモン買うって言って自販機に行ってるよー」


あたしは一礼して自販機を目指した。洵介先ぱい、待っててくださいねっ!!!!