「茜ってさ〜、好きな人とかいないの?」

「なになにいきなり恋バナ?」

ただ今10分休憩中。
アタシはイチゴみるくを片手に
ケイタイをいじっていた。


「いや、茜が男の子の話してるとこ見たことないからさ。」


「…うーん。」


「初恋とか聞いたことないし!あ、ちなみにいつ??」

「…うーん。」

「ちょっと、聞いてんの?」

「あ、店長さんが休憩終わりだって。」


「あっ、ちょっと茜待って…」

アタシは早々と控室を出た。




初恋ねぇ…


アタシだって初恋の経験はある。

あれは小学校三年生…


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「茜ちゃん遊ぼ!」

「いーよー!」


あの頃アタシには幼稚園から仲のよい幼なじみがいた。

苗字なんだったっけ?
でも確かリョーヘイくんって名前。
リョーヘイくんはとにかく小さくて女の子みたいな顔してて
可愛い妹みたいな存在だった。

休み時間はいつも
学校が休みの日も二人で遊んだ。
でもある日、リョーヘイくんが
違う女の子と遊んでいたのを
見てしまった。