「軽い、打撲で良かったわ♪」

そういいながら保健の先生は優しく笑う。

「記憶喪失なったらどないしよ思ったわぁ。」

へらへらと笑う野球児。

ムカつくなぁ…この笑い方。
すると野球児は続いた。

「あっ、せやアンタ痛かったやろ。ほんまごめんなぁ。」

「…!?」


な…なんかっ いきなり謝られた。
あたしは声が出なかった。

つか…



つかつか


「誰ですか??」


「はぁ??」

目の前で眉を曲げた野球児。

ホントにわかんない。

つかこんなやつウチの学校にいたっけ?しかも関西弁だし。


「アンタ、俺のこと忘れたん?」

そういってあたしの肩をガシっと掴んだ。


つか知り合いでもないのに馴れ馴れしくない?

まさかの知り合いっ!?


あたしっ!ホントに記憶喪失なっちゃったの?


やだやだやだぁ!


えっ…

でも記憶喪失になったら記憶喪失ってわかるの??