化粧水をつけて肌をぺちぺちと叩きながら風呂をでた。


部屋に向かおうとリビングを通り過ぎたとき、
賑やかな笑い声が聞こえた。


もしかして…




「茜、久しぶり!」



やっぱ…

長身で栗色の髪の毛に
整った顔立ちをした男。

「…昭にぃ。」


「なんだ、その嫌そーな顔は。」


そういってアタシの頭に拳をゴツンと落とした。


「痛っ…」


中澤 昭斗。

通称、昭にぃ。
三つちがいのあたしの兄。

でも…

いろいろと理由があって
血は繋がってない。



「ほら、せっかくあきくんが来てくれたんだからそんな顔しないの。 わかった?茜。」

カチャカチャと
音をたてながら食器を洗うママ。
ったく。親バカめ…