「首席とんぞ~え~っと、今日の欠席は珍しく愛川だな~」



教卓に立ち首席をとる
担任の声を聞き
俺は数秒停止する。


愛川………休み………


愛川が休み!?

俺は指でくるくると
回していたペンを
机の上に落とす。



もしかして…昨日の…?
俺のせい……?


俺の顔が青ざめ始める。

そりゃそうだよな……

きゅうに好きでもない男からキスされたら……傷つくよな…


俺は机にうなだれながら
片手で頭を欠く


そんなこんなで今日一日ずっと上の空だった俺。
いつの間にか放課後になり
人がまばらになったところで
俺は机の横に掛けてある
鞄をとり椅子から立っちドアに向かっていた時だった。


「あぁ♪ちょうどいいところに♪春真きゅ~ん(笑」


そう言い不快な笑みを
しながら近ずいてくる。

里山 牧

愛川といつも一緒にいて
さりげに俺の幼なじみ


愛川と牧はうちの学校で
ちょっとした有名人、
『美女二人組』なんて
あだ名がついているほど、
まぁ愛川は全然きずいて
いないけどな
どちらかと言うと
愛川は可愛い系で
牧は長身で美人
けれど性格は多少
中年おやじのようなやつ


そんな牧が俺に近き


「へっへっへ、春真きゅん今日はいつになく上の空だね~あぁ!そっか~♪千夏ちゃんがいないからかなあ~?」


わざとらしくニヤニヤ
しながら俺に聞いてくる牧



チッ………こいつわざどかよ…

「用事ってなんだよ?」


「ふふふ♪これ千夏に届けて☆」

そういい俺に手渡してきた
物は…


「ノート?」

ノートの中心にでかでかと
[牧]と書いてあったのを見て
牧のノートだとわかった。

「千夏さぁ志望高校ギリギリらしいからさ~私のノート私といてあげて♪」


「は?ちょっまてよ!なんで俺なんだよ!?」


牧はにやぁっと笑い。

「千夏に振り向いてほしくないならノート返してぇ♪」


にやにやして俺から
ノートを捕ろうとする
牧の手首を掴み
俺は赤い顔を隠すため
俯き

「わぁったよ、もってくよ」