「あたし、ミチルくん家行って来る。」


大切なことは直接会って。

顔を見て伝えなきゃ。




そう言ったあたしに、西くんたちが驚いたように目を丸くした。


「ミーコちゃん、本気!?」

「…うん。」

「で、でもみぃこ、もう体育祭始まるよ?」

「わかってる。」



それでも、あたしは行かなきゃいけないから。


「わかってる…。」


ミチルくんに、ちゃんと伝えなきゃいけないんだ。



“ごめんね”と

“ミチルくんは悪くないんだよ”って。


どうしても
直接、顔を見て伝えたいの。




「あたしが出なきゃいけないのはまだ先だし、行って来る!」

「ミーコちゃん!」


走り出すあたしを、西くんの声が引き止める。

そして振り返ったあたしに、西くんはニッと笑って言った。



「俺も行くよ。」

「…え?」

「だってエース、寝起きかなり悪いよ?」

「西くん…、」